日本人が一生涯のうちにがんと診断される確率は
2人に1人といわれています
中でも大腸がんの診断は、男性では前立腺がん、女性では乳がんに続き、それぞれ第2位です。男女合計では、がんの中で最も診断される確率が高いと言われています。
同じ消化器がんでも、ピロリ菌感染率の低下とともに胃がんは近年減少していますが、生活習慣との関連が深い大腸がんは増加傾向にあります。
注目すべきは、大腸がんは早期に診断できれば、内視鏡で手術でき、予後が非常に良いがんであるということです。このため、40歳から毎年がん検診として便潜血の検査が行われていますが、残念ながら日本人の受診率が低いことが問題視されています。大腸がん検診受診率は、男性で49%、女性で43%程度であり、欧米の70~80%と比べると明らかに低率です。

採便を行うことは、女性では生理時期を避けることが必要で、便秘の方はタイミングが気になり一苦労かもしれません。ただ、便潜血陽性と出れば、精密検査で、約3%の方にがんが発見されるという事実がありますので、ぜひ積極的に受診していただきたい検診項目です。
また、別の検査法として、当院では大腸内視鏡検査を行うことができます。
便潜血検査の感度は60~80%程度であり、陰性だからと完全に安心することはできません。前がん病変であるポリープを見逃す確率はさらに高くなります。したがって、任意型検診、いわゆる人間ドックとして大腸内視鏡検査を代わりに行うことも勧められています。特に大腸がんの家族歴がある方や肥満、飲酒、喫煙、運動不足といった大腸がんのリスクをお持ちの方は、内視鏡検査についてもご相談いただければと思います。