10月はピンクリボン月間2024年10月
内科石田勝則監修

10月はピンクリボン月間です。ご自分の乳腺タイプを知っていますか?

【“ピンクリボン”とは?】

乳がんについての正しい知識を広め、検診やセルフチェックなど、乳がんの早期発見、適切な治療の大切さを伝える活動の、世界規模のシンボルマークです。

乳がんは、働き盛りの30代後半で急増し、女性が罹患する最も多いがんです。
しかし早期発見、早期治療で完治する可能性が高く、定期的に乳がん検診を受けることがとても重要です。

乳がん検診に代表される検査には、マンモグラフィと超音波検査があります。

《それぞれの検査の特長》

マンモグラフィ 超音波検査
検査方法 乳房を薄く広げた状態を圧迫板で保持して、X線撮影する。 超音波の反射の様子を画像化する。
メリット
  • 超音波検査では見つけにくい微小な石灰化も発見できる。
  • 乳房全体像をとらえることができる。
  • 検査による乳がん死亡率の低下が統計学的に証明されている。
  • 乳房内のしこりの性質を診断するのに有用。
  • 被ばくの心配がなく、妊娠中でも検査が可能。
  • 痛みなどからだへの負担が少ない。
デメリット
  • 検査に痛みを伴うことがある。
  • 乳腺の濃度が高いと、しこりを見つけにくい。
  • X線を使うため、妊娠中は検査が行えない。
  • 石灰化を確認するのが難しい。

【乳腺タイプについて】

乳房は、主に乳腺組織と脂肪組織でできています。乳腺組織が乳房に占める割合をマンモグラフィでは「乳腺濃度」と呼び、乳腺の割合が多い順番に、「極めて高濃度」「不均一高濃度」「乳腺散在」「脂肪性」の4つのタイプに分けられます。

乳腺濃度は個人差が大きく、出産や授乳経験、年齢やホルモンの状態などで変化します。

マンモグラフィでは乳腺もしこりも白くうつるため、乳腺が発達した2つのタイプの「高濃度乳腺(デンスブレスト)」は、画像が全体的に白っぽくなり、乳腺としこりの区別がつきにくくなる場合があります。高濃度乳腺は病気ではありませんが、しこりが乳腺で隠れてしまう可能性もあるため、超音波検査との併用がおすすめです。

反対に、乳腺散在や、脂肪性タイプでは、乳腺が少ないため、マンモグラフィ検査でしこりや石灰化などの異常が見つけやすくなります。

当院では、10月受診分より健診レポートがリニューアルされ、「マンモグラフィ」の項目に乳腺タイプが表示されるようになりました。

乳がん早期発見のためにも、ご自身の乳腺タイプを知って、適切な検査法での検診と、セルフチェックを定期的に行い、何か気になることがあれば、すぐ医師にご相談ください。

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