妊婦と歯科治療2016年2月

妊娠によって母体には様々な変化が現れます。特に、妊娠中は女性ホルモンのバランスが変化して口の中に炎症が生じやすい環境になります。

妊娠性歯肉炎

妊娠中の口の中の病気としてもっとも代表的なのが妊娠性歯肉炎です。歯の表面に付いている歯垢や歯石といった局所因子によって歯ぐきに炎症が起こるのが歯肉炎ですが、それが二次的に妊娠といった因子によって憎悪すると考えられます。

予防と治療のためには、歯磨きによって歯垢を落とすことがもっとも重要です。歯磨きの時に歯ぐきからの出血があっても、出血をこわがらずに、歯を一本ずつ丁寧に磨いて下さい。歯磨きが行き届けば出血はおさまっていきます。悪阻(つわり)のために吐き気をもよおしたり、においに敏感になったりして口の中の清掃が十分できないときにも水分を十分取ったり、うがいをよく行うなど可能な限り口の中の清潔を保つように心がけてください。

妊娠性歯肉炎は2~3ヶ月頃より明らかに増加して8ヶ月で最高に達し、その後減少すると報告されています。

虫歯

妊娠性歯肉炎のほか、虫歯にも気をつけなければなりません。妊娠中は口の中が酸性になるために虫歯が進行しやすく、歯の神経の炎症(歯髄炎)に進みやすい状態になるからです。歯肉炎の予防と同様に、妊娠中は特に口の中の清潔を保つように心がけて、出産後の口の中の状態を悪くしないように注意しましょう。

妊娠中の歯科治療

歯の痛みやはぐきの腫れなどの急性の症状があるときには、妊娠中のどの時期でも処置をする必要があります。しかし出来れば、妊娠中の治療は妊娠15週から35週の時期に行うことが勧められます。この時期は通常の時期と同じように治療できると言われています。ただ治療の必要上、薬を使ったり、レントゲンを取る可能性もあります。これについては、今までに妊娠中も比較的安全に使用できるとされている薬がありますし、レントゲンに関しても歯科のレントゲンの放射線量はきわめて少ないことが報告されています。また、局所の麻酔もその使用量が少ないのでまず問題ないと言われています。

既に述べたように妊娠中は口の中の病気が起こりやすいと考えられますので、それらを予防するためには、妊娠前から口の中を清潔に保つように注意して、虫歯の治療など歯科治療を受けておくのが良いでしょう。また、妊娠中だけでなく妊娠の可能性のある方は歯科を受診する際にその旨を伝えるようにしましょう。そうすることによって必要な対策が前もって取れるので、より安心して歯科治療を受けことができます。

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