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海外生活での健康は丈夫な歯から
 
食べる、話す、表情を作る、重いものをもち上げるなど、普段の生活のいろいろな場面で大切な役割を果たしている歯。しかし、日本人は平均すると、50歳代から徐々に歯を喪失し、60歳代では 6割強の人が入れ歯(義歯)を使用し、80歳の時点では自分の歯は7〜8本しか残っていないのが現状です。成人が歯を失う原因で一番多いのが歯周病(50%)、その次がむし歯(37%)であり、また成人の5人に4人は歯周病にかかっているといわれています。
 
 
知らないうちに進行する歯周病
 
歯周病(歯槽膿漏)は、歯垢の中に住みついた細菌が歯と歯ぐきの間から進入し、歯の土台である歯ぐきや骨に炎症を起こす病気です。初期では痛みなどの激しい自覚症状がないため放置して、悪化するケースが数多く見られます。

健康な歯ぐきは色が薄く若々しいピンク色であり、くぼみや膨らみがはっきりしています。軽度の歯周病では歯ぐきが赤くなって、はれたようになり(歯肉炎)、歯みがきや硬いものを食べたときに出血することがあります。また歯の根元に歯石( 歯垢が石灰化して固まったもの) の沈着もみられるようになります。

さらに歯肉炎が進んで歯槽骨が溶け(歯周炎)、歯と歯ぐきの境目に深い溝(歯周ポケット)ができるようになると中等度の歯周病。炎症の進行と共に歯がぐらつく感じ、口臭や口の中が粘っこくなり不快感を覚えるようになります。このような時期には歯石沈着が歯の根の深い部分にまで進んでいます。

さらに悪化し重度になると、歯ぐきと歯の根元の境目を押すとウミが出る、歯がぐらつく、かみしめると痛みがある、冷水や熱い湯が歯にしみるようになります。この時期では歯ぐきが下がって歯の根元部分が露出してくるため、歯冠が長くなったように見えます。
 
 
日々のブラッシングは正しく
 
基本は歯垢を取り除くようにきちんとブラッシングをすることです。正しい歯みがき習慣を身につければ、むし歯・歯周病にかかる率はぐっと減ります。

海外ではかかりつけの歯科医院をつくることも容易ではないことから、日本在住の方よりも海外で生活されている方のほうが、むし歯や歯周病といった歯科疾患予防に対する関心は高いようです。確かに海外在住の方の口内は汚れも少なく、むし歯もないことが多いのですが、口の中の上下犬歯からその奥2?3本の歯と歯ぐきの境目あたりの歯面が楔状に削れてしまっていたり(くさび状欠損)、歯ぐきに小さな傷がたくさんついていたりすることが比較的多く見られます。

このくさび状欠損は歯磨き粉に混入された研磨剤の長期使用や硬い歯ブラシでしっかりごしごし磨いた結果、歯が少しずつ削り取られたものです。歯垢は軽くブラッシングすれば容易に取り除けるものです。ただ歯石にいたってはどんなに硬い歯ブラシで強く磨いても取れるようなものではありません。

むし歯や歯肉炎、知覚過敏の症状がない限り、急いで処置を受ける必要はありませんが、一般的にくさび状欠損に対しては歯科治療で削れた部分にプラスチックの一種を充填することを行ないます。この治療は痛みもほとんどなく一回の診療で終わりますので定期的な歯科検診を年に一度は受けるようにしましょう。しかしながら治療を受けてもブラッシングの方法を変えなければくさび状欠損は再び生じます。
 
 
正しい歯磨きのポイント
 
「毛先みがき」を実践しましょう。歯ブラシはやわらかめの歯ブラシを使い、ヘッド部が小さく、柄が細く長いものを使って、毛先を歯に直角に当ててブラッシングのときに力をかけすぎず軽く振動させるようにしてみがきましょう。

歯磨き粉は基本的には使わなくてもよいですが、最近、歯磨き粉の謳い文句でよく目にするのが「フッ素(Fluorine)」入りです。このフッ素は歯垢を取り除いたり、付着しにくくしたり、また歯の表面を強化してくれるなど活躍してくれますが、いくらフッ素効果を期待してとはいっても、歯磨き粉のつけ過ぎには気を付けてください。

歯磨き粉はごく少量で、研磨剤が入っていないものを使用することで十分効果が得られます。